有明Bルートの話

もしくは 11月に出した「実存の夏が来る」を書いているときに考えたことの話。

有明Bって冷静に状況を考えると、有明と自分以外の全滅で、大崎にとって敗北ルートだと思うんだけど、それでも新木場さんと本当の親子になれたことも、有明に「生まれてきてくれてありがとう」と肯定してもらったことも無かったことにしたくないよーというのがあって…。

死にたい気持ちで生きて行く、っていう結論が多分好きなんだよな。

有明Bルート、フィクションでしか許されないというかフィクションだから語りうる話だと思っていて、更生することもない犯罪者を愛すること、罪を犯したまま生きて行くことなんだよな。

斜線堂有紀の曜日シリーズがめちゃくちゃ好きなんですが、情状酌量の余地もない殺人鬼である小鳩のことがどうやっても好きな俊月のことが私は好きで、彼が至った結論が本当に愛だなと思っている。でもこの作品もフィクションだから語り得る愛の話だと思っている。

なので、有明Bルートのことを考えると、大崎にも有明にも償うべき罪はあるんだけど、この物語はフィクションなので報いを受けて欲しいというより、それでもなお生きていってほしいのかも。という気持ちで書いたのが「実存の夏が来る」でした。

ほんと全然正しい話じゃないし、このルートの2人に幸福があっちゃいけないのかもしれないけど、それでも2人がある種肯定されて終わるラストが好きなんですよね。

間違えたまま生きて行く末路が見たいよ2025冬。