「キルバーン」感想

2025年9月23日(火)マチネ。

感想は過去のTRUMPシリーズ含めネタバレありです。今回は公式サイトの情報以外、完全に前情報入れずに見に行きました。

機材トラブルから再開して良かった!

この日、オープニングのキャスパレが終わった段階で客席の明かりがついて「機材トラブルにより中断」とのアナウンスが。日程的にこの日しか行けなかったのでなんとか再開してくれ…と祈ってました。15分後に無事再開。(トラブってたのは照明だったみたい?)

最初にマルメロ役の山崎さんが「こんな服で謝ってもなんだと思うんですけど〜」と言いながら中断のお詫びに出てきてくれました。客席を盛り上げてくれて、オープニングの盛り上がりのまま入れた気がする。

ドナテルロのアドリブ(屋敷に予備電源がある)があったり、力が入りすぎたのかトランクが全然開けられないダリちゃん(そして突っ込まれると笑いが抑えきれていない)などが見られてお得な回でした。

舞台としては1000万点だが

舞台としては1000万点でした。光るリストバンドとかどう使うのかなと思っていたんですが、スタンディングしてガンガン腕を振る感じになるとは。ただ、スタンディングすると思わなくて、鞄と帽子と邪魔で、それだけ事前に教えて欲しかった。

キャラクターたちがマイクを手に取って歌うのもよく考えると「変」なんですけど、ハマってるんですよね。この舞台においてはそれが当たり前に見えてくる。ミュージカルというよりライブ。ロックでイカれた繭期の幻想でした。

じゃあ何が不満だったかというとほぼ話が「ヴェラキッカ」だったこと。1幕でこれ「ヴェラキッカ」と同じ状態なのでは?と思ったんだけど、本当にそのまま「ヴェラキッカ」だった。

個人的に新しいものを見たい人間なので、ほぼ「ヴェラキッカ」だったのがシリーズものとしてはかなり物足りない気持ちでした。私はCOCCON星もそこまで好きではないので。

ただ、Xでもぼやいたんですが、そもそも「ヴェラキッカ」よりも前にやる予定だった作品ということ、でも上演機会が今までなかったことなどを考えると、「ヴェラキッカ」でストーリーのエッセンスだけは使いたかったということなのかも。そういう背景も考えるとまあ〜ではあります。

「ヴェラキッカ」のパンフを久しぶりに開いて、今回の「キルバーン」のパンフの末満さんのコメントと読み比べてみたのですが、末満さんのご経験やパーソナルな部分から作られたということがコメントにあって味わい深かった。

思ったよりストーリーはある

びっくりしたことです。

名前でシリーズファンをざわざわさせつつ、基本全然関係ない人たちなのかなと思っていたので、めっちゃリリーだ!!!!みたいな驚きはありました。

ヒャッハーミュージカルと聞いて、私はそんなにストーリーがないのか、ストーリーが難解で訳わからないかどっちかかなと思っていたのですが、ちゃんとストーリーあるじゃんと思いました。

ヴェラキッカじゃんとは思いつつもラストの結婚式があまりにもめでたくて、ヒュー!となりました。いや、結婚式って形で来ると思わなくて…。ここソフィ(リリー)には見えてないんだと思うんですけど、めちゃくちゃノリノリになってくれるのいい子だなって思いました。

ダリちゃんメロすぎ

ダリちゃんがメロすぎてメロいという言葉の意味を「理解」してしまいました。

実は前情報を入れてなさすぎて、CHEMISTRYの堂珍さんが出ていることを全く知らなくて、「歌の上手い若手俳優だなあ」と思って見てました。嘘でしょ。

これまでのシリーズのダリ・デリコとは違った、無骨でどこか青臭さのある青年でとても良かったです。あのお衣装も最高ですね。

そしてリリーの旅が始まる

このリリーの意志を丸無視してハッピーエンドになる感じが、黑世界っぽくもあるなと思いました。キルバーンの代わりに上演された黑世界に奇しくも繋がっていく感じがすごく良いなと感じます。

この取材会でポピーが唆した若い研究員=シュカと言われているのでなるほど。見失ってんじゃないよ。