長いメンテだった…。読了直後の感想です。
ムビナナを見に行くことにしていたので行きの電車+映画館で必死に読んでいたので、読み返しながら書いていきます。
めっちゃ長くなってのでとりあえず21話分。
重複するかもですが、ふせったーも置いておきます。
西の魔法舎編洒落にならんすぎ
なんか2部終わって西の魔法舎に居を移すのもありか?と思っていたが、西の魔法舎怖すぎだった。
陰謀と策略溢れる西の国めっちゃ面白いな…。俺賢者は共感力低すぎて全然こういう場面で呪いかかる気がしないんですが、晶はめっちゃ弱そうだもんな…。
ファウストとフィガロのやりとりおもしろすぎんか。
しかし東の宮廷も一筋縄ではいかなさそうなので今後でてきてほしいな…。こう…ブランシェットの次期当主やってるヒースクリフは見たいじゃないですか。シノもそう思うよね?
あとアーサーとリリアーナの婚約の話も3部以降に引き継がれていそう。
悲しみや不幸を教えてあげる
2部で一番好きなシーンかも。
思想の話なんですけど、ラスティカは幸福と愛情しか知らないから優しいというのは私の中で結構受け止めがたいことかもなと21章が来るまで思っていました。
優しさというものがそうであるなら、傷ついたひとは一生優しくはなれないじゃないですか。それって傷を負った時点で死ぬことと同じように思えてしまう。割と傷を負って完璧なものでいられないことに気づいた瞬間に死にたくなることってあると思うんですけど、なんとなく傷ついた魂を抱えながら人生続いていくっていう絶望を受けれ入れるのが大人になるってことなのかな…とか思っていて。(この観念がめちゃくちゃネヴァジスタで培われた感じもある)
だから語られるラスティカの在り方って子供なんですよね。
更新来る前に、過去を見つめてしまったラスティカはもう傷のない姿には戻れないかもしれないけど、それでもクロエと歩いていくことが彼らの生だよ…というようなことを思っていて。
そのアンサーがあまりにも完璧すぎて今振り返りながら泣いてる…。
実際アリアと、ザラ、ラスティカの三者の間にも憎しみや悲しみがあればもうちょっと上手くいってたと思うんですよね。アリアもあまりに素直で美しいものしか知らず、ザラもそんな妹の美しさこそ正しく彼女を愛して愛されていたかった。これはザラの過ごしてきた環境からすると難しいことだったとは思うんですけど、アリアにもっと早く憎しみや悲しみをぶつけられていたら、アリアが周りの人たちからもっと早く彼女の無神経さを指摘されていたらまた変わっていたんじゃないかな…。
アリアに恨む気持ちがあるのもザラのことが怖いのも好きなのも、ザラがあれほど妬みながらもアリアのことが妹として好きだったのも全部本当だと思うんだよ。
そしてラスティカも。クロエはザラのあったかもしれない未来の一つで、偶然ラスティカに選ばれたザラなんですよね。もしかしたらザラは今となっては一番クロエが羨ましいのかもとも思った。
クロエはたくさんのものをラスティカからもらってきたと思うんですけど、ラスティカの知らないものを渡そうというところが、二人の関係が好き。過去は変えられないけど、クロエの与える悲しみや涙こそが、同じ悲劇を繰り返さないためのキーなのかもしれない。幸福しか知らないラスティカに悲しみと不幸を、ってそれはもう呪いのようなものなのかも。嫌われても生きるために痛みを与えたいと思うのは、最上級の愛だなって思います。(思想)
女王陛下の寝所の話、「以前は未婚の女性でなかった」「ザラは嫌がっていた」をまとめると、前の国王も中身はザラだったんかな…。どうして死んだことにしたのかはわからないけれど。実は変化ではなくて、体自体借りてる(せいで寿命が縮まっている)とかなのかな…。リリアーナに関しては髪の毛の癖のこと考えてると変化してるっぽいが…。
21章9話でオズがアーサーに悲しませたとしても話すべきか悩んでるけど、絶対話したほうがいいからな!(子供って言ってももう17歳だしさ…)
信頼と約束は似ている
アーサーとカインのやり取りめちゃくちゃよかった。約束って要するに契約だと思うので、契約をせずとも背中を預けられるのが信頼なんだなあ。
ファウストとフィガロ仲直り下手すぎて笑った。ところでファウストめちゃくちゃ真っすぐな人だな…というのが2部通して感じたことで、やっぱり私はファウストがちょっと怖いです。
アイザックが街の人の信頼や愛情を受け取るのもなんか切なくなってしまった。どれだけ彼が元の心が優しかったとしても、身なりを整え、親切にすることでしか信頼は得られない。信頼って行動に伴うもので、実は心の在り方ではないのだよな…。打算であっても信頼を買うことはできる。たぶんフィガロはそれをわかっていてなお打算に意味も効能もあると思っていて、アイザックはそんな打算で自分を評価されたくないのかもしれない。アイザックの在り方は子供だなと思うんですけど同時に純粋にも感じる。
そして賢者 = 晶に対する信頼・信用もまた行動に基づいた実のあるものであるからこそフィガロとムルの策謀が効いてくる。実際行動と心ってどれだけ分けがたいものなのだろうというのも考えてしまう。少なくとも晶の行動は心によって生まれたものだし、策謀の中にあってさえ彼はその心でリリアーナ姫のことを知ろうとする。アイザックも本人の心が伴わなくてもあと10年でも100年でも続けていたら、信頼を本物だと思えたんじゃないだろうか。
ネロとファウストも不器用だな。「盗賊なんて絶対ゆるさないだろ」じゃねーんだよ!いや、すごい可愛かったね。
ちゃんと予習してるシノも偉いね。
私もクロエのこういうところ好き!!!!!
クロエの普通に怒りや悲しみを覚えるところ、誰かを傷つけてやりたいとも思ってしまうところ、それでも「それはよくないことだな」と思いとどまるところ好きだなって思っているし、ラスティカの傍にいてくれ…。
オズとアーサー
ちゃんとお話できてよかった。オズが本当に喋るの下手なんだけど、それでもアーサーの心に届いているのが嬉しいね。
オズとアーサーもラスティカとクロエ、ラスティカとザラに重なるところがある。実際のところアーサーはオズのことも憎めないし世界のことも憎めないと思う。カインは自分が世界に愛されてきたと言い切れるけど、実はアーサーはそうでもないのかも。皆が優しく、愛してくれるわけではない。現に母は自分を捨てたけれど、それでもすべてを拒絶するわけではない分別があると思っていて、それがアーサーの大人で物分かりが良い部分だと思う。逆に彼の中にある子供の部分が世界よりもオズを優先したいという気持ちなのかな。アーサーも痛みと愛情の両方を知っているよな。
あと彼が世界よりもオズを選ぶというところ、やっぱりどこかで命が長くないと知っているせいもあるのかなあと思っていてなんかものすごく悲しいのでなんとかなってくれ。
ミスラとフローレス兄弟の話はいざ次回22話感想で…。
コメントを残す