舞台「ハンドレッドノート 暗闇に消えた月」の感想です。途中からネタバレあります。
私とハンドレッドノート
新本格ミステリ好きなのでゆるゆると履修しているという関係です(総括)
動画メインなのがイマイチ乗り切れないというか、ショート動画のノリが本当に肌に合わないのですが、本編動画は真面目にミステリをやる気概があるので嫌いになれない。
友人がホークアイズの杖道役をやってる笠間淳さんのファンなのもあってファンミーティングにも行ったし、割とちゃんと真面目にファンをやっているかもしれません。
ところで私は多分クラウンクレインなんですけどいつになったら作品が出るんですか。今回の舞台でいくらでもハウスが作れそうだなーと思ったけど、キャラは既出なのに何もわからないクラウンクレインをなんとかしてくれ。
久しぶりの推しとの再会
とはいえ、舞台にわざわざ行くほどのハンドレファンではないのですが、今回ゲストに田中涼星さんが出演されるというのが決め手で観劇を決めました。
最近もう全然追いかけられてなくて、コロナ禍以降全然舞台にも行かなくなっちゃったので、推しというのも烏滸がましいのですが、元推しというとなんか担降りする何かがあったのかなみたいな感じになっちゃうし…。
私が好きになったのはテニミュの頃なので、もう今はあの頃とは違ってファンもたくさんいるし、そんなに頑張って推さなくてもいいなと思ってしまったのもあります。でも今でも好きです。
で、そんな推しですが、もう台風のように舞台上を引っ掻き回していってくれました。いわゆる日替わりパートをゲストが担当している作り。
杖道と瑠衣がめちゃくちゃ振り回されているんだけど、なんか二次元の見知ったキャラの中に唐突に推しが捩じ込まれたみたいな空間で非常に面白かったです。基本的にずっとシリアスな舞台なので、緩急の緩をキャラクターたちのキャラを崩さずにやるという意味では良かったかも。
ぶっちゃけゲストで集客してる舞台なのかなと思ってはいるんですが、その中でゲストパートがそこまで浮いてるわけでもなくいい塩梅だったんじゃないかな…。
真面目にミステリを
以下舞台のネタバレを含みます。
今回の舞台で一番嬉しかったのは、原作同様真面目にミステリをやってることだなと思います。
推理物って絵的には地味だし、ホークアイズは武闘派なんでもっと派手に見せるストーリーもできたと思うんですけど、真っ当に仁と彩の推理勝負をやったのが最高。その上でダンスの要素を入れることで、見ていて退屈しない作りになっていたと思いました。
あとクラブexならではの客席もフルに使った演出も良かったです。何より舞台上のモニターがどの角度からも見やすいように工夫されていたのがめちゃくちゃ良い。ちゃんとキャラクター名や状況がわかるの大事。
登場人物が限られる中でフーダニットをやるのって結構難しいんですが、ちゃんと一段階捻りも入れた真犯人で本当に良くできていたと思います。さらに物証から迫る仁、動機から迫る彩とそれぞれの要素でドラマを見せてくれたのが本当に良かった。(物証はちょっと弱いなという感じがしましたが、仁が勝負を譲ったのも含めて納得感はあったのでよし)
ハンドレッドノート、正直どこに人気があるのか全然わからなくて(なんか若い子の間ではTikTokで流行ってるらしい?)トンチキコンテンツだと思ってるところあるんですが、一貫して本格ミステリを真面目にやるという方針がぶれないところが好き。
天幻次彩ズルすぎ
これですよ。一番言いたいことは。
なんだこの全新本格オタクが好きそうな探偵はー!!!!!
血に触れた相手の思考をトレースして完全になりきることができるという特殊能力があまりにもホワイダニット向き能力すぎる。ハンドレの特殊能力って捜査の過程で細かい検証ステップをショートカットする能力が基本(仁の千里眼も鑑識の過程をすっとぱすための能力)だと思ってるんだけど、割と彼の能力は異能だなと思います。
人間が知りたくて役者から探偵になったってあまりにも…。新本格オタクがみんな好きなやつじゃん。(主語がでかい)
あっけらかんとしているようで、探偵として仁に挑むところ、真実に迫っていく顔。一筋縄ではいかないキャラクターでものすごく魅力的でした。演技もすごく良くてわーとなって調べたら刀ステの孫六さんじゃん!とびっくりしました。
正直こんなにオリジナルキャラクターが刺さると思わなくて、普通にパロットビークの物語がもっと知りたいよーとなっています。
そんなわけでトータルとして満足した舞台でした。ハンドレはキャスイベもなんですが、なんだかんだ行って後悔しないのでいいコンテンツなのかも…。