小説

エピローグ 8月24日

そして、そのさきへ 空港ではひっきりなしにアナウンスが読み上げられているし、あちらこちらに案内標識のホロディスプレイが浮かんでいる。オーエンは鬱陶しそうに目を閉じて、CBICチェリーブロッサムアイスキャンディを舐めた。「CBSCの方が好きか…

4章 8月23日〜8月24日

「おまえは何をしたのかわかってるのか?」 よく理解している。「今回の事件で傷つくアシストロイドも人間もたくさんいたはずだ」 わかってる、それでも──。「止まれなかった」 オーエンの言葉にカインは傷ついたような顔をした。それを見て、オーエンは…

3章 8月6日〜8月8日

8月6日 暗い部屋の中でディスプレイの明かりが目立つ。いつの間にか日が落ちて、ホテルの部屋の中にも闇が満ちていた。デスクの上にはノートパソコンとそれに接続するためのケーブルだけがある。 オーエンは窓際に寄るとカーテンに触れた。そのままカーテ…